医療現場手術用ガウン「セルフガウン」が実用化

最終更新日:2018年8月14日

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臨床工学技士コラム

医療現場手術用ガウン「セルフガウン」が実用化

2017.04.18

専門性・特殊性の強い医療現場では、なにより患者の安全性が最優先になる。近年、欧米などの先進諸国を中心として医療現場における医療スタッフの労働負荷の軽減を目的として、診断・手術・治療を最大限にサポートするような様々な取り組みが検討されている。

大阪大学では3月13日、中島清一氏(同大大学国際医工情報センター次世代内視鏡治療学共同研究部門特任教授(常勤))らの研究グループ、大衛株式会社(本社:大阪府大阪市都島区、加藤光司車掌)、トクセン工業株式会社(本社:兵庫県小野市、金井宏彰社長)の共同研究グループが、医療従事者自身で着脱が可能な手術用ガウン「セルフガウン」を共同開発、実用化したと発表した。

この「セルフガウン」は、手術室・救命センター・外来処置室などでのニーズが見込まれるとして4月10日に商品化予定。

医療現場の非医療機器「手術用ガウン」を高機能化

医療現場における医療スタッフの確保や医療機器の充実の重要性はもちろんだが、「非医療機器」においての高機能化や周辺環境の整備も求められている。

手術用ガウンはその内の1つだが、従来のガウンでは着脱時の首・腰・内ヒモを結ぶ際のサポート役の介助なしには清潔に着脱できない設計だった。そこで今回、同研究グループでは「非医療機器」の高機能化として医療従事者自身で「セルフ着脱」が可能な手術用ガウンの研究をスタート。

新たに開発した手術用ガウン「セルフガウン」は、従来のガウンでは首ヒモの部分だった首周りにバネ性の特殊リングを編み込んで、さらに背中の引き合わせ構造を立体設計し、従来のガウンにあった内ヒモは廃止した。また、腰ヒモに特殊なミシン目加工を施すことで、粘着テープの仮止め機能を付加。これにより、介助不要で着脱可能な画期的な方式の手術用ガウンを開発した。

着脱時の感染性物質の飛沫防止

従来のガウンでは、脱衣時にまずはグローブを脱いで、次にガウンを脱ぐため、グローブに付着している感染性物質を飛沫して周囲が汚染されるリスクがあった。

エボラ出血熱が猛威を振るった西アフリカの現地では、当時その感染患者治療において現地に入った医療スタッフが、感染防止に着用していた防護服を脱ぐ際に、付着した感染性物質に触れてしまい、医療関係者に感染が広まった医療事故が起きたことも報告されている。

今回の「セルフガウン」は、グローブを内側に巻き込んでガウンをまるごと脱げるため、感染性物質の飛沫防止になり、感染リスクはほぼなくなるという。

大規模災害時や感染症アウトブレイク現場での迅速な対応

安全・迅速に脱げる手術用ガウンは、大規模災害時や救急現場、感染症アウトブレイクの現場などでも効果を発揮できる非医療機器となるもので、医療従事者が迅速な対応をとることを助けるツールになる。例えば、地震などの大規模災害時の医療体制の整備やエボラ出血熱の発生などでは、感染症に対する危機管理は喫緊の課題になっている。

今後、3者では感染症対策専門家の意見も参考にして、今回の「セルフガウン」の着脱方式の改良をさらに進める方針だ。また、介護衣類への応用も考えられることで、超高齢社会における研究の意義はますます高まりそうだ。

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