次世代の外科手術用マイクロ波メス「アクロサージ」が来年1月にも発売

最終更新日:2018年12月14日

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臨床工学技士コラム

次世代の外科手術用マイクロ波メス「アクロサージ」が来年1月にも発売

2016.10.12

血液透析装置やダイアライザーなどの製造・販売を手掛ける日機装株式会社(東京都渋谷区、甲斐敏彦社長)は、今年8月から外科手術用エネルギーデバイス「アクロサージ」の臨床試用を開始し、2017年1月に発売予定することを7月29日に発表した。

このアクロサージは、マイクロ波を活用した「出血のないメス」で、まずは開腹手術での臨床試用になるが、将来的には難易度の高い脳外科手術などでも使用できるようになることが期待されている。

次世代のマイクロ波メス「アクロサージ」

マイクロ波とは、波長の短い周波数帯(周波数3~30ギガヘルツ)の電波で、「真っ直ぐに進む」という性質があり、電子レンジや携帯電話なとに利用されている。

例えば、電子レンジでは水にマイクロ波を照射することで水の分子が振動して発熱する仕組みを利用している。

マイクロ波メスとも呼ばれる「アクロサージ」では、この電子レンジの発熱原理と同様に、2.45ギガヘルツのマイクロ波の加熱作用を利用している。「アクロサージ」によって、マイクロ波を生体の患部に照射すると生体内の水分子が振動して発熱し、患部周辺を均一にムラなく発熱することが出来る手術メスだ。

さらにこの「アクロサージ」には、滋賀医科大学バイオメディカル・イノベーションセンター特任教授の谷徹氏が開発した最新のマイクロ波技術も応用されている。

高周波、超音波に続く新しい外科手術用エネルギーデバイスに

これまで国内では、内視鏡製品開発などの医療事業を手掛けるオリンパス株式会社(東京都新宿区、笹宏行社長)が、開腹手術用エネルギーデバイス「サンダービート」シリーズを発売している。

これはバイポーラ(高周波)と超音波の両方を利用したハイブリッドメスで、従来の外科手術では、バイポーラ(電気メス)か超音波メスのどちらかのメスが用いられている。

一般的に外科手術で使われているバイポーラは、組織の剥離や切開に使われるが、超音波メスでは、バイポーラより温度上昇がなく、凝固作用のあるため組織の損傷を抑えられ、出血をコントロールしやすい特長がある。

今回のマイクロ波メス「アクロサージ」は、従来の高周波の電気メス、そして超音波とのハイブリッドメスに続く次世代の外科手術用エネルギーデバイスになるわけだ。

世界初のハサミ型・鑷子(ピンセット)型デバイス

このアクロサージでは、生体内の水分子がなくなるとマイクロ波が作用しないので患部組織の「焼きすぎ」ということがない。また、患部の外側の変色で内部の凝固の状態もわかるため、組織の切除時の出血や発煙・ミストなどの手術の妨げになるものも防げる。

開発元の日機装では、今回幅広い手術範囲に対応可能なマイクロ波エネルギーデバイスとして、世界初となるハサミ型と鑷子型(ピンセット型)の2種類を発売する方針。これにより、手術時間の短縮や患者の負担軽減を目的とする。今年8月から国内の6医療機関で約30症例の臨床試用を開始する。

このような外科手術用デバイスの市場はグローバルでも拡大しており、同社では今後5〜10年で世界進出や世界的なシェア拡充も図っていきたいとしている。

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