被災地から被災地へ、命をつなぐ

最終更新日:2018年12月14日

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臨床工学技士コラム

被災地から被災地へ、命をつなぐ

2016.07.14

2011年3月11日の東日本大震災で被災したいわき市から、熊本地震の被災地への臨床工学技士派遣が約1か月に渡って続いた。2016年4月14日に発生した熊本地震はおよそ3か月後の7月に至っても余震が観測されている。
地震発生直後には日本全国各地から医師、看護師、臨床工学技士の派遣が相次いだが、4月19日から5月14日までという長期間派遣を継続した地域はほかにない。多くの病院は2日間、3日間という短期計画でスタッフを派遣した。
医師、看護師を始めとした医療従事者不足が叫ばれる中では、そのような短期間でも通常業務から外れるスタッフが出るのは厳しいのだろう。だが、福島県のときわ会常磐病院は負担を恐れず長期間の派遣を行ったのである。

東日本大震災の経験から15名体制で派遣

福島県いわき市ときわ会常磐病院。東日本大震災の折りにはこの施設も多大なる被害を受け、原発事故の影響もあって患者の治療ができない状況だった。他県の病院による患者受け入れがなければ立ち行かなかった、その経験から、15名体制の派遣を決めたと言う。
15名のうちわけは医師1名。看護師7名。臨床工学技士7名。
これは、被災経験から導き出された構成だ。
大規模な被災現場ではまず人手不足が問題だろう。透析を必要とする患者にとって、治療の中断は命の危険に直結する。だが、誰もが被災者となる現地では医療スタッフの出勤すらおぼつかない。
ときわ会からの派遣を受けた熊本県上村内科クリニック事務長は言った。
「手伝いに来てくれたとき本当にうれしかった。戦力が増えたことに対してもだが、何より職場内の空気を変えてくれました。職場内はピリピリしており、雰囲気がとても悪かった。福島という縁もゆかりもない遠いところから助けに来てくれたことが、私たちを勇気づけてくれました」

臨床工学技士の被災地での役割

臨床工学技士であるからには被災地でも生命維持装置(人工呼吸器や人工心肺など)を扱う。医療機器の運用には電源が欠かせないが、被災地では医療機関への電力供給すらままならない事態が頻繁に起こる。
医療機器の保守・運用を主たる役目として担う臨床工学技士には、そうした非常事態には電源確保もまた業務の一環となるだろう。被災地に入った時にどのように電源を確保するか一考しておきたい。
幸いにも熊本地震の際には、電源不足で人工呼吸器が止まるような事態は発生しなかった。
だが、大規模な停電や断水は起こったのだ。
人工呼吸器などの継続使用する生命維持装置には外部電源が使用可能で、その連続使用時間は6時間以上におよぶ。
今回の熊本地震ではバッテリー使用で停電の期間をまかなえたと言う。
東日本大震災のように、町ごと消失するような災害の記録は残されていない。歴史上幾度も自然災害に飲まれてきたはずの日本でも類を見ない規模だった。モデルケースのない災害が現実のものとなることを示したと考えるべきなのではないか。
そうであるならば、今後も東日本大震災のように電力不足が続くような地震や、熊本地震のように余震の予測がつかないタイプの地震が都市部を襲う可能性はあるということだ。 今こそ改めて医療機器の停電対応マニュアルを確認しておきたい。

参考となるのは日本臨床工学技士会による「医療機器の停電対応マニュアル」だ。
臨床工学技士にとっては基本中の基本だが、だからこそ平常時に再確認しておきたいところである。また、日ごろから「誰が」「どこで」「どのような支援を必要としているか」を全国的に情報共有して、災害時に患者を他県に輸送する必要が出た時に備えたい。

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