人口知能「AI」で総合診療を支援、自治医大などが開発

最終更新日:2018年10月23日

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臨床工学技士コラム

人口知能「AI」で総合診療を支援、自治医大などが開発

2016.06.06

高齢化社会で重要になると考えられる「総合診療(プライマリケア)」
診療分野を特定の疾患に限定せずに患者の様々な病気や悩みに対応していくものだ。 その総合診療のサポートとして「AI(人工知能)」を取り入れる動きがある。
自治医科大学(栃木県下野市)では3月28日、人工知能(AI)システムを活用した総合診療の支援システムを開発したと発表した。
過去の診療データを基にして該当する病名とその発症確率をリストアップする仕組みを備えるもので、総合診療において患者の症状などから医師が病名を絞り込んだり治療方針を決定したりする際の判断をサポートする。
2016年度から同大病院などで実証実験の運用を開始し、さらにシステムを充実させていく予定だ。

人工知能「ホワイト・ジャック」

同システムを開発したのは自治医大と、臨床検査や創薬支援などを手掛ける株式会社LSIメディエンス(東京都千代田区、伊藤昭夫社長)、医療機器開発・販売を行う東芝メディカルシステムズ(栃木県大田原市、綱川智社長)などIT企業計5社。 産学連携共同研究における「ホワイト・ジャックプロジェクト(人工知能型総合診療支援システム開発)」としてこれまで開発が進められていた。
自治医大では6年前から群馬県と熊本県の病院の協力を得て、地域医療に関するデータバンク構築をスタートし、これまでに蓄積してきた診療情報(診療、検査、医学論文情報など)約8千万件分がデータバンクとしてこの「ホワイト・ジャック」にインプットされている。
また個人の診療履歴・投薬履歴や、介護状況などの生活情報も位置データと組み合わせて一元管理するシステムも構築された。

データバンクから疑われる病名や適切な検査を提示

同システムでは日々の診療情報も追加更新することが可能で、患者の症状をデータ入力すると、そのンプットされたデータを基に予想される複数の病名やその確率、治療に必要な検査や有効な投薬のリストを表示する。
自治医大では発表同日に東京都内で記者会見を開き、支援システムのデモンストレーションも公開した。
これまで患者が紙に記入していた「予診票」では、受付役の人間型ロボット「ペッパー」が持つタッチパネルに患者役が自分の症状などを入力して作成。医師の問診でさらに患者の症状などを電子カルテに追加していく。
それらの情報を受けた人工知能システムは、データバンクを基に予想される病名とその確率、治療に必要な検査などを次々と提示し、再度詳しい情報を入力し直すと随時、計算しなされて病名や確率などが再度提示された。

重大な病気の見落とし防止、若手医師の育成も

今回開発された支援システムによって、医師は診療方針の決定に役立つだけでなく、見落としてはならない「まれな」病気にも気付くことができ、若手の医師にとっては経験不足を補うことも期待される。
また、地域医療においては患者の生活習慣や家庭環境などにより様々な疾患の発症が想定されるが、この支援システムを活用することでデータバンクに基づいて全国どこでも標準的な医療を受けられるようになるという。
今後は、診察室での医師の診察内容や患者の話を聞き取ったロボットが医師に代わってカルテを記入する仕組みも導入する。
また、地域医療で活用する場合には薬の重複防止や緊急時の患者の位置特定などに役立てていく方針だ。
今年7月には、都内・東京ビッグサイトで開催される国際モダンホスピタルショウ2016にも出展する予定になっている。

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