災害時の透析患者は「備え」が不足

最終更新日:2018年8月15日

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臨床工学技士コラム

災害時の透析患者は「備え」が不足

災害の影響を受けやすい透析患者

アメリカ、ニューヨーク市にあるマウントサイナイ・べス・イスラエル病院は2012年のハリケーン・サンディ発生時、ニューヨークの透析センター5ヵ所で外来治療を受けていた成人を対象に「備え」についての調査を行った。
結果として、26%の患者が何回か透析を受けられず、3分の2が別の施設で透析を受けていたことが判明。
同災害時、広範囲が停電、透析センターでも電気が使用できなくなり、臨床工学技士も治療を施せなかった。
透析患者は水・電気などのライフライン、輸送機関に依存していると言えるだろう。
調査対象全体の17%が、この災害を機に「備えを強化した」と回答している。

同病院のNaoka Murakami氏は「患者と透析施設の双方から疾患についての認識・災害時の備え強化が必要」としている。
同氏は「“透析緊急パック”の配布は効果があり、さらに我々は携帯機器用アプリにすることを提案している」と備えの強化方法にも言及。
このパックは患者の使用薬剤、透析スケジュール、健康問題に関する詳細情報、他の透析施設の連絡先を記載している。

8割の患者が備え不足

アメリカにあるロヨラ大学医療センター(イリノイ州)のグループは透析患者の緊急時への備え状況を調査した。
60%の患者が「備えは出来ている」と回答したが、実際には全体の80%は十分な備えが出来ていないようだ。
患者の半数は代替案を持たず、代わりの治療先も確保していない状況。
95%の患者には、緊急時に備える方法を学ぶ意志が見受けられ、情報を得ることの必要性を実感しているようだ。

同センターでは調査結果を受けて、医師・看護師・栄養士・ソーシャルワーカーによって見直しが行われ、患者の80%の備え向上がなされた。
同センターのAnuradha Wadhwa氏は、透析施設から患者に向けて教育のアプローチをかける必要性があると指摘している。

2つの調査結果ともに、施設サイドからの働きかけが、緊急時における透析患者のリスク減少に繋がることを示唆したものとなった。
今回の調査はアメリカで行われたが、日本においても災害の可能性は高く、当てはまる部分は多いのではないだろうか。
全国腎臓病協議会のHPでは患者に向けて災害時の行動や心構えを掲載しているが、それでも備え不足は否めない。
臨床工学技士の業務にも関係してくるだろうが、備え強化の必要性はアメリカ同様に高いと言える。

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