カテーテルによる感染症防止プログラムに期待感

最終更新日:2018年6月19日

Select Language >>

0120-978-003
月~土 9時~18時 / 夜間・日・祝は受付のみ
臨床工学技士コラム

カテーテルによる感染症防止プログラムに期待感

2015.04.22

医療現場では尿道カテーテルや栄養チューブなど、排泄や栄養摂取のために体内に留置する器具をよく使用する。
臨床工学技士が運用するこれらの器具によって命を繋ぐ人は少なくない。
しかし一方で、器具着用者が感染症を起こすリスクは常にあった。
感染症予防に抗生剤を投与した所で、多剤耐性菌が繁殖すれば感染を防御することは困難になる。
こうした医療現場の問題を解消する手がかりとなるかもしれないニュースが、このほど米国の養護老人ホームからもたらされた。

多剤耐性菌に的を絞った感染症予防プログラム

養護老人ホームでよく使われる「尿道カテーテル」や「栄養チューブ」の感染症予防プログラムに、多剤耐性菌などによる感染症の防止に一定の効果があるようだ。
米国ミシガン大学医学部などで構成された研究グループの発表によると、プログラムの運用次第では感染者の割合をなんと23%も減らせるのだとか。
「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」の罹患率では22%、カテーテル関連の尿路汗腺が起こる割合では15%の感染症発生率低下がみられたと言う。
この結果はいくつものプログラムを複合的に組み合わせて取り入れることで得られたらしい。 まず常に清潔を保つ「先制的な感染対策」を行い、積極的に状況を監視すると共に、臨床工学技士やスタッフの教育などを行き届かせる。
そもそもカテーテルやチューブ装着者の状況は全てが同一ではなく、尿道カテーテルのみを装着している者、栄養チューブのみを装着している者、あるいは両方を装着している者がいる。 症状や状況が異なるならば、それぞれに適したケアが必要になるのは間違いない。

臨床工学技士と感染症予防プログラムのこれから

これらの結果から、養護老人ホームで行われる感染症予防プログラムの有効性は証明されたと考えられる。 とはいえ、いまだこのプログラムは完全な物とはなっていない。
バンコマイシン耐性腸球菌、薬剤耐性グラム陰性桿菌の新規感染、栄養チューブ関連で起こる肺炎、皮膚や軟部組織の新規感染症については、発生率の低減がなかったというのだ。 特にバンコマイシン耐性腸球菌、薬剤耐性グラム陰性桿菌、肺炎には罹患者の死亡リスクが高く、もしもこのプログラムがこれらにまで有効なものへとブラッシュアップされれば、日本の医療現場、介護現場においても非常に重要な対策のひとつとなるだろう。 費用対効果や二次感染リスクの低減など課題は山積しているようだが、臨床工学技士の立場として患者の命をより確実に守るためにも、感染症予防プログラムの今後に期待しつつ動向を見守りたいものである。

■メドフィットが納得の転職を実現します!
⇒臨床工学技士の求人一覧

関連コラム