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精神科病院での身体拘束が10年前の2倍に、認知症患者が増加

2016.06.27

厚生労働省による2013年度の調査で、精神科病院で手足をベッドに括りつけるなどの身体拘束を受けた患者は全国で1万229人(前年度9695人)に上っており、1万人を超えていることが分かった。
この数は身体拘束を受けた患者が10年前から2倍に増えたことを表している。 また、患者が内側から開けることができない「保護室」に隔離された患者は、9883人(前年度9791人)に上り、これも10年前と比較すると約3割増となっている。

精神保健福祉法においては、精神科病院での身体拘束などは、精神保健指定医によって本人や他人を傷つける恐れがあるなどと判断された場合に限り、限定的に認められる。
今回の結果を受けて、同省では明確な因果関係は特定できないとしつつも、認知症患者の割合が増えているという背景はあると説明している。

身体拘束による患者の尊厳や権利の制限に懸念の声

同省が毎年度実施している精神科に関する全国調査(2013年度では1616施設が対象)では、入院患者数や医療従事者数、病床数などが集計されている。
その内、2013年度の調査で身体拘束を受けた患者は1万229人に上ることが分かった。 都道府県別では、身体拘束を受けたのが最も多かったは北海道(1076人)で、次いで東京(992人)、埼玉(878人)と続いた。

病院での身体拘束に関して安易に身体拘束を行うことは、入院患者の人としての尊厳や権利の制限につながると懸念する声も上がっており、それぞれのケースが適切であるのかを第三者機関が判断する仕組みを必要とする声も出ている。

患者の身体拘束は2倍、保護室への隔離は3割増

同調査において身体拘束に関する調査項目は2003年度に加えられたが、同年度では対象となった1662施設のうち、身体拘束を受けた患者は5109人だった。 その後、患者数は年々増加傾向にあった
また、2003年度に保護室に隔離された患者は7741人でこちらも増加している。
10年前と比較して保護室への隔離では3割増で、身体拘束では約2倍に増加しており、特に身体拘束を受けている患者が増加している。

認知症患者への身体拘束が増加、身体拘束に詳細な実施基準を

今回の調査結果では、精神科病院への入院患者数自体は減少傾向が続き、約29万7000人となった。
2003年度では約32万9000人だったため、約3万2000人減となっている。一方で近年では、認知症患者の増加を背景にして、精神科病院でも入院患者に占めるその割合が増えている
認知症患者は患者自身が治療を理解できないケースが多く、安全に治療することが難しい場合は身体拘束もやむを得ないという風潮があり、認知症患者へ身体拘束を行うことが増えているという。
精神保健指定医による判断を仰がずに、治療が行いづらいことを理由に身体拘束を行うということはあってはならない。 しかし、以前にも介護施設での高齢者の身体拘束が虐待に当たるとして問題になっていた。

(介護職コラム :東京都北区の高齢者マンション、拘束介護で利用者を虐待も参照)

今後の高齢者ケアにおける精神科病院での身体拘束をしっかりと抑止していくには、身体拘束に対する要件を明確にするなどして詳細な実施基準を設けるようにしていくことが求められるのではないだろうか。

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