『ラジカル歯周病治療機器』、医師主導治験で有効性を実証

最終更新日:2018年1月21日

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歯科コラム

『ラジカル歯周病治療機器』、医師主導治験で有効性を実証

2018.01.10

デンタルプラーク(歯垢)に含まれる歯周病原因菌によって引き起こされる歯周病は、病状が進行することで歯を支える骨が失われてしまう疾患だ。

さらに重度の歯周病になると、「歯周ポケット」が深くなることで治療が困難になってしまい、最終的には歯の喪失にも繋がる。

東北大学は10月25日、佐々木啓一氏(同大大学院歯学研究科口腔システム補綴学分野教授)、菅野太郎氏(同研究科先端フリーラジカル制御学共同研究講座教授)ら研究グループが、医師主導治験によって、『ラジカル殺菌歯周病治療器』の臨床的有効性を実証したことを発表した。同研究成果は、9月25日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

歯周ポケットへの局所治療に課題

重度の歯周病の症例では、「歯周ポケット」が深化するために治療器具が患部まで十分に届かず、外科処置が必要となるケースがある。そのため、従来法の臨床効果を補う方法としては、歯周ポケットへの抗生物質の局所投与を併用する。

しかし、この抗生剤の局所投与による抗菌療法では、抗生剤を長期的に歯周ポケット内に留置させることは困難で、治療を繰り返し行うことが必要になるという問題点があった。

「ラジカル殺菌歯周病治療器」を開発、臨床的な有効性を検証

東北大学では、このような重度の歯周病において効率的な治療を行うために、ラジカルを応用した殺菌法を考案。

「3%過酸化水素」(消毒薬として用いられる)に青色可視光を照射することで発生するラジカルによる『ラジカル殺菌歯周病治療器』を開発し、東北大学病院主導で治験を行い、臨床的な有効性を検証した。

今回の治験は、53人の被験者(2015年7月~2016年4月の期間で、東北大学病院と仙台市内の歯科医院の2施設で治験参加基準を満たした中等度および重度の慢性歯周炎の患者)の歯周病罹患歯142本を対象に、「ラジカル殺菌歯周病治療器を用いた治療」、「従来法と抗生剤ゲルの局所投与を併用する方法」、「従来法のみ」の3グループで治療を行い、それぞれの効果を比較。

「治療前後での歯周ポケットの深さ」・「歯周病菌数」などから治療効果を評価した結果では、ラジカル歯周病治療機器を使用した治療では、他の治療よりも有意に浅い歯周ポケットが認められたという。(治療後12週時点)

有効性を確認、新規医療機器の承認取得へ

また、治療後4週時点では、ラジカル歯周病治療機器による治療を行う歯周病罹患歯の歯周ポケット内では、従来法による治療を行う歯よりも歯周病原因菌が有意に少なく、併用法による治療を行う歯と同程度であることがわかった。

これは、ラジカル殺菌治療器による単回の治療が、抗生剤ゲルを繰り返し投与する方法と同等の殺菌作用を示している。

併用法では、歯周病原因菌は減少したものの、繰り返し抗生剤ゲルを投与するために歯周ポケット内に長期間異物が存在することになる。これが歯周組織の治癒に影響を与えたことで、より深い歯周ポケットが残ったものと考えられるという。

今回の検証結果から、ラジカル殺菌歯周病治療器による治療が、中等度・重度の歯周炎治療において有効であることが判明した。

今後、東北大学では企業と連携して新規医療機器の承認取得に向けて取り組む方針で、早期の臨床導入を目指すとしている。

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