「早期認知機能の低下」を評価する血液バイオマーカーを発見

最終更新日:2019年9月19日

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介護職コラム

「早期認知機能の低下」を評価する血液バイオマーカーを発見

2019.03.07

筑波大学は1月17日、内田和彦氏(同大医学医療系准教授)、鈴木秀昭氏(株式会社MCBI研究員)らの研究グループによって、アルツハイマー病(AD)等認知症の発症に関わるタンパク質「アミロイドβ(Aβ)」の脳内からの排出に働く3つのタンパク質が、早期の認知機能低下を評価するバイオマーカーとして有効であることを発見したことを発表した。

同研究成果は「Alzheimer’s&Dementia: Diagnosis, Assessment&Disease Monitoring」(電子版)に2018年12月18日付で掲載された。

「Aβクリアランス」の低下は、AD発症の原因

2015年時点での世界の認知症は4680万人。さらに今後、その数は、「20年ごとに倍になる」とも言われる。 認知症の60〜80%を占めているのはAD。ADは、ゆっくりと認知障害が進む特徴があり、ADの発症には、脳内に蓄積されたタンパク質「Aβ」が関わっていることが明らかになっている。

「Aβ」は正常な脳内でも産生されるタンパク質だが、脳から血液へと排出されている(「Aβクリアランス」)。

この「Aβクリアランス」の低下は、AD発症の原因とされる

「アミロイドβ」の脳内からの排出に働く3つのタンパク質

今回の研究では、「Aβクリアランス」に関与している3つのタンパク質(アポリポタンパク質(ApoA−I)、トランスサイレチン(TTR)、補体タンパク質(C3))を対象に、血液バイオマーカーとしての臨床有用性を検討した。

被験者(273名)の血清中のおける3つのタンパク質とコレステロール量を測定し、その中で、認知症の前駆段階である軽度認知障害(MCI)およびADと診断された被験者(63名)につき、MRIおよびSPECT検査を行って脳画像を比較した。

比較結果からは、この3つのタンパク質の血中量が、MCIにおける認知機能低下および脳イメージングの変化と一致しており、これらのタンパク質が、認知機能低下を評価する上で、有効なバイオマーカーとなることが判明した。

軽度認知障害(MCI)は、認知症の発症を予防する潜在的介入のための重要な機会と考えられ、血液バイオマーカーによって認知機能低下の評価を行うことは、ADなどの認知症の予防において重要となる。

今回の研究に用いた3つのタンパク質を対象とするMCIスクリーニング検査は、MCBIがすでに実用化している。

認知症の予防につながる血液検査の実施に期待

今回の研究では、早期MCIの認知機能低下とそれに伴う脳血流低下や脳萎縮と関連することが明らかになった。

これによって、認知症の予防につながる血液検査の実施が実現するとして期待される

今後、同研究グループは、より多くの症例を用いた臨床研究を行い、運動などの予防介入による効果と血液バイオマーカーの関連性について研究を進める予定。

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