「20万人分のビッグデータ」からわかる要介護認定の高齢者の特徴

最終更新日:2019年7月16日

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介護職コラム

「20万人分のビッグデータ」からわかる要介護認定の高齢者の特徴

2019.02.05

大阪市立大学は12月14日、河野あゆみ氏(同大看護学研究科教授(在宅看護学))ら「福祉局ビッグデータ解析プロジェクトチーム」が大阪市福祉局から依頼を受け、市から提供された「介護保険データビッグデータ」を分析した結果を取りまとめて発表した。

今回の研究は、「健康寿命の延伸に関する包括連携協定(同大が2017年2月に大阪市と締結)」に基づく事業の第一号として実施されたもので、同研究結果は、大阪市福祉局より公開されている。

大阪市の高齢者の認知機能・生活機能の低下が顕著に

大阪市では、高齢者世帯のうち単身世帯が「42.4%」(全国平均は「27.3%」)と半数近くを占める。また、認知機能が低下した高齢者の増加率では、高齢者人口の増加率より高くなっているという特徴がある。

独居高齢者は、周囲の人々と交流が少ないために、認知機能が低下しても早期発見は難しく、重度化した状態になってから、介護給付等の対象になる可能性がある。

また、認知機能・生活機能の低下がみられる独居高齢者では、在宅における生活の継続は困難になるため、認知症対策・介護予防を講じることは喫緊の課題になっている。

大阪市保有の「介護保険ビッグデータ」を解析

今回のプロジェクトは、大阪市が保有する「介護保険ビッグデータ」を有効に活用することで、大阪市による市民サービスの向上と効果的な行政運営に繋がるデータ分析に裏付けられた効果的な施策を実施することを目的とするもの。

今回の研究では大阪市要介護認定情報に関するデータ(新規要介護認定を受けた高齢者19万6,140人、2007年度〜2016年度)を活用

「独居/非独居」、「年齢・性別」、「介護保険料段階」、「介護サービス利用の状況」、「認知機能」、「生活機能」、「施設入所の有無」などの各データ項目で解析し、新規要介護認定時の特徴を明らかにすること、特に「高齢者の独居」が認知機能・生活機能の低下や死亡のリスクにどの程度影響しているかを分析した。

「独居/非独居」 での高齢者の生存率に違いは認められず

分析結果からは、 独居高齢者と非独居高齢者の生存率には、男女とも違いはみられなかった

新規要介護認定を受けた時点の年齢では、男性の独居高齢者(75.7歳)は女性の独居高齢者(79.8歳)と比較して、年齢が若かった。

また、独居高齢者であることと認知機能・生活機能の維持には関連が見られ、「認知機能・生活機能を維持しているために独居を継続している」、「独居者は機能低下の前に生活上のニーズから要介護認定を受けている」といった可能性が考えられるとしている。

経済学の視点から「介護保険制度の特性・変遷」に注目

今回の分析では、「独居」は大阪市の賦課情報により世帯人員を定義している。

独居高齢者の生活背景は多様であり、より具体的な対策を講じるためには家族構成や他者との交流状況を踏まえた解析が必要と考えられる。

また、同研究グループは、今後は経済学の視点からも追加の解析を行う予定で、「介護保険制度の特性・変遷」に注目して、介護保険制度が提供するサービスが人々の健康状態に与える影響の推定やその経済的影響の分析、介護サービスに対する人々の需要行動の分析、需要の価格弾力性等の推定などを行うことなどを検討しているという。

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