アルツハイマー病の原因遺伝子2つを新たに同定

最終更新日:2018年12月17日

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介護職コラム

アルツハイマー病の原因遺伝子2つを新たに同定

2018.09.27

理化学研究所は8月6日、角田達彦氏(理研生命医科学研究センター医科学数理研究チームチームリーダー)らの共同研究グループによって、マウスとヒトのデータを統合的に解析することで、アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定したと発表した。

同研究成果は、国際科学雑誌「Human Genetics」(電子版)にて公開された。

認知症の大部分を占めるアルツハイマー病

認知症の大部分を占めるアルツハイマー病は、多くの場合は孤発性の多因子疾患である。(一部は家族性)

孤発性のアルツハイマー病の遺伝的リスク要因として、アポリポタンパク質E(APOE)が知られている。

しかし、その他の遺伝的な要因についてはまだよくわかっていない。

また、発病につながる初期の現象として、脳内に出現するアミロイドβペプチド(Aβ)の存在が知られているが、『Aβ蓄積』の原因となる様々な要因についての全体像は、まだ明らかになっていない。

『トランスクリプトーム』を活用したヒトとマウスのトランスレーショナル研究

アルツハイマー病研究のさらなる推進には、ヒトとモデル動物の両方のデータを活用した有効なアプローチを行うことが期待されている。

『トランスクリプトーム(全遺伝子発現)』を活用することは、ヒトとマウスの「トランスレーショナル研究」において、種間の保存性を活用できるというメリットがある。

大阪大学が行った先行研究では、トランスクリプトームデータ(アルツハイマー病への感受性が異なるマウスの複数の系統を使用)と、遺伝子改変マウスを用いて、遺伝子発現量とAβ蓄積との関係性のデータを取得している。

LBH・SHF遺伝子の発現量がAD患者で有意に低く

今回、研究グループは、アルツハイマー病の原因遺伝子を同定するために、マウスの遺伝子発現と表現型の関連データと、ヒトのアルツハイマー病のゲノムワイド関連解析(GWAS)のデータとを統合的に解析した。

解析結果からは、アルツハイマー病患者において、「LBH遺伝子」と「SHF遺伝子」の発現量が有意に低くなることがわかったという。

これは、「LBH」と「SHF」の遺伝子産物が、疾患発症のメカニズムで抑制的な効果を持つことを示しているとしている。

アルツハイマー病は多因子疾患であるにもかかわらず、現状では研究対象となる分子は限られており、効果的なアルツハイマー病の治療法の開発も成功していない。

同研究グループでは、今後、さらに今回のようなアプローチを展開することによって、複雑な疾患の発症メカニズムに関わる遺伝子をさらに発見する可能性があり、これまでにない診断法や治療法開発につながることが期待できるとしている。

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