アルツハイマー病、「血液検査」による早期発見・治療

最終更新日:2018年6月19日

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介護職コラム

アルツハイマー病、「血液検査」による早期発見・治療

2018.03.09

近年の研究で、「アルツハイマー病」の患者の脳内には、認知症の症状が現れる20年以上も前から「アミロイドベータ(Aβ)」と呼ばれる異常なタンパク質が蓄積され始めていることが明かになっているという。

脳内でこの「アミロイドベータ(Aβ)」が蓄積しているのを検出するには、『陽電子放射断層撮影(PET)』などによる検査が必要になるが、高額な検査費用を抑制するや患者の身体的負担を軽減することなどが課題だった。また、血中にわずかな量しか含まれていないAβを「血液検査」によって調べるのも困難とされてきた。

国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と島津製作所(京都府京都市)などの研究グループが、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ(Aβ」を早期段階から発見する簡便な血液検査の方法を開発したことを発表した。

同研究成果は、2月1日付けの英科学誌・ネイチャー(電子版)に掲載された。

認知症の6割以上を占める「アルツハイマー病」

国の推計で2025年に700万人を超えると見込まれる認知症。その全体の6~7割を占めるといわれるのがアルツハイマー病だ

アルツハイマー病では、神経細胞が傷つき、脳が萎縮することで、「記憶が欠落する」、「時間・場所がわからなくなる」、「身の回りのことが出来なくなる」などの症状がある。アルツハイマー病の進行抑制を目的とした薬はあるものの、現時点では、根本的に治療する薬は開発されていない。

一方で近年では、その新薬研究のターゲットになっているのは「発症前で、原因物質のAβが蓄積している」ケースだ。

脳細胞が死滅してしまった後に、原因物質を取り除くなどしても効果がないため、アルツハイマー病の発症前の人を対象に、根本的な治療薬の開発を促進しようというものだ。

血液検査で「Aβの蓄積の度合い」を測定、PET検査と9割一致

今回、同研究グループは、Aβの蓄積に関連して変動する複数の物質の比率を調べることで、脳内の「Aβの蓄積の度合い」を推定する技術を開発し、「0.5cc」の血液のみで測定できる方法を確立

オーストラリアの認知症研究組織と連携して、健常者を含む60~90歳の計232人(日本人121人とオーストラリア人111人)を対象に、開発した手法による血液検査と従来のPET検査を実施した。

それぞれの検査結果を比較したところ、約9割で一致し、「Aβの有無」を正しく判定できたという。

有効な治療薬・予防法の確立に活用、「高齢者健診」の可能性も

今回の研究成果から、従来難しいとされていた血液検査によるAβの蓄積の測定が、国内外のサンプルにおいて正確さが再現できた。

安価・安全で簡便な検査によって、信頼性の高いデータを手に入れられることで、世界的にアルツハイマー病の治療薬開発・研究を加速させることが期待される。

また、将来的には発症前の高齢者検診に生かせる可能性もあるが、同研究グループでは、まずは、有効な治療薬や予防法の確立を目指すという。

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