介護施設で異なる入院率、「特養」で高く

最終更新日:2018年10月22日

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ケアマネージャーコラム

介護施設で異なる入院率、「特養」で高く

2018.10.04

筑波大学は8月15日、田宮菜奈子氏(同大ヘルスサービス開発研究センターのセンター長/教授)、Boyoung Jeon氏(同客員研究員(2017年常勤研究員、現在は韓国ソウル大学保健環境研究所))らが、東京大学、東京都健康長寿医療センターと共同で行った研究によって、医療レセプトと介護レセプトのデータを照合し、分析した結果、「介護老人福祉施設(特養)の入所者」は、「介護老人保健施設(老健)の入所者」と比較して、全体の入院率と予防可能な入院率が高いことを明らかにしたと発表した。

同研究成果は、「Geriatrics and Gerontology International」に掲載されている。

『地域包括ケア推進政策』における医療・介護の連携の課題

『地域包括ケア推進政策』において、医療・介護の連携は喫緊の課題となっている。

また、利用者が増大する介護サービス、特に施設ケアの質の評価は重要な課題である。

「急性期病院への入院」は、高齢者、特に介護施設に入所している高齢者の障害・認知低下リスクを増加させることが明らかになっている。

そのため、高齢者の入院を減らすことは、QOL(生活の質)を向上させ、入所高齢者の医療費削減につながると考えられている。

予防可能な入院率は老健「9.5%」、特養「16.3%」

今回の研究は、千葉県柏市の医療介護連結レセプトデータを活用し、介護施設から急性期病院への入院率および入院の理由(「予防可能な入院」、「予防不可能な入院」、「病院内の死亡」)と、その関連要因を明らかにするために実施されたもの。

後期高齢者の医療記録データと介護レセプトデータ(2012年4月~2013年9月)を用い、「介護老人福祉施設(特養)」(n=1138)と「介護老人保健施設(老健)」(n=885)の入所者2,065人(75歳以上)を対象に分析を行った。

分析結果から、「特養の入所者」は、「老健の入所者」て比較して、全体の入院率と予防可能な入院率が高いことが明らかになった。

特養の入院率は「34.5%」、老健の入院率は「23.8%」で、予防可能な入院では、特養で「16.3%」、老健で「9.5%」となった。

また、多変量解析(利用者の状況などを考慮)の結果から、「人工栄養ありの場合」に予防可能な入院リスクが高まることがわかり、施設間の差も有意だったという。

介護施設の入所者の入院という医療介護連携の重要事項、日本初のエビデンス

予防可能な入院は、在宅や施設など地域ケアの質の指標として重要といえる。

医療体制が充実している「老人保健施設」の予防可能な入院率が、「介護老人福祉施設」よりも少なかったことは、医療資源投入の効果と考えられる。

その一方で、「介護老人福祉施設」における医療対応にも検討の余地があるとも考えられるものだ。

今回の研究で、介護レセプトと医療レセプトのデータを照合させることにより、介護施設の入所者の入院という医療介護連携の重要事項について、日本初のエビデンスが得られた

同研究グループは、今後公開が予定されている全国レベルでの介護データベースの研究が進むきっかけとなることが期待されるとしている。

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