その足の裏の痛み、もしかして「足底腱膜炎」?
2016.12.07
奈良県に住む64歳のYさん(女性)は3年ほど前に左足の裏が痛み、診察を受けたところ、「足底腱膜炎」と診断された。
原因は「足に合わない靴を履いた」こと。診断後は、痛み止め薬を飲んでいた。しかし、しばらくすると痛みが出て、歩くのは数分が限界になってしまったという。
「足底腱膜炎」とは一体どんな病気なのだろうか。
足の裏の炎症、「足底腱膜炎」
足裏には、「足底筋膜」と呼ばれるかかとから指まで伸びている筋膜がある。この足底筋膜の存在によって、『土踏まず』のアーチ構が支えられ、歩くときの衝撃も和らげることが出来る仕組みになっている。
しかし、歩き過ぎや立ち仕事などで足に負荷がかかり過ぎることで足底腱膜を傷つけてしまい炎症を起こすと、かかと周辺が痛む症状が出てくる。
起床時の激痛が特徴、筋力が低下した中高年以降で多く発症
この足底筋膜炎の特徴としては、起床時に身体を起き上がらせて、立ち上がろうとするときにかなりの激痛が走ることだ。
これは就寝時に硬くなってしまった腱膜を急に伸ばすことになるため。やがて腱膜が緩みだすと、しばらくして痛みも軽減する。
足底筋膜炎は中高年に多く発症しており、運動不足や疲労、肥満(体重の増加)などから足に負荷がかかり過ぎると発症する。
また、スポーツ選手でもバスケットボールなどの足に繰り返し衝撃を受けている場合は、若年層でも発症しやすいようだ。
腱膜やアキレス腱のストレスを入念に
この足底筋膜炎の治療には、かかとにかかる負荷を分散させるために靴に中敷きを入れたり、炎症を抑えるために痛み止めのステロイド注射や鎮痛剤を使用するケースもある。
しかし、腱膜やアキレス腱のストレッチを1日3回程度、効果的に行うことで、症状は回復していく。
もし半年も痛みが続くような場合は、日帰りで行える衝撃波治療も受けられる。Yさんもなかなか痛みが治まらなかったため、この衝撃波治療を受けたという。この治療法を扱っている医療機関は多くはないが、数年前から保険適用になっている。患者の2割程はこのように症状が長引く傾向にあるようだ。
衝撃波治療では麻酔を使わずに30分程度で患部に衝撃波を当てて、痛みを伝える神経を破壊したり、傷んだ腱膜の修復を促進することで痛みを和らげる。
それでも痛みが治まらなかった場合は、内視鏡で傷んでいる一部の腱膜を切り離す手術などもある。しかし、そこまで重症化している場合、足裏の痛みといっても末梢神経障害や自己免疫病などの別の原因の可能性もあるため、痛みが続く人は一度整形外科で相談したほうがよいかもしれない。
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