アルツハイマー病の「飲むワクチン」及び後療法の特許申請、順大など

最終更新日:2018年12月14日

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ケアマネージャーコラム

アルツハイマー病の「飲むワクチン」及び後療法の特許申請、順大など

2016.11.24

高齢化社会で増え続けるアルツハイマー病では、まだその根治療法がなく、メカニズム解明と症状進行の予防に向けた研究が求められる。

これまでその治療法の一つに挙げられていたワクチンによる予防では、治験においてアルツハイマー病に特徴的に見られる「老人斑」が消失したことが確認された一方で、ワクチンの副作用として自己免疫性脳炎を引き起こし、神経細胞死が増加する状況は変えられず、治験自体が中止になっている。

今回、順天堂大学ではアルツハイマー病の飲むワクチンを新開発し、サルの実験で脳炎や消化器症状などの副作用を示さないことを確認したと10月5日に発表している。

同研究は、田平武氏(同大学大学院医学研究科・認知症診断・予防・治療学講座客員教授)、服部信孝氏(同神経学講座教授)と佐賀大学などの共同研究グループによるもので、その研究成果が「Journal of Alzheimer's Disease」(電子版)に掲載されている。

同研究グループでは、この飲むワクチンにより老人斑が消失する反面、毒性物質の「オリゴマー」が増加することも発見したとしている。

アルツハイマー病治療薬で老人斑が消失する反面、有効性はなし

これまでのアルツハイマー病のワクチン治療における研究では、ワクチンの免疫反応でアルツハイマー病の患者の脳内特有の老人斑(アミロイド班)を除去することには成功したものの、臨床的有効性は確認できておらず、むしろ患者の脳内で脳炎が引き起こされ、神経細胞死は増加する結果になっていた。

そのため抗体医薬品の開発に向けて実施された治験でも、老人斑の除去には成功したが、やはり有効性は認められていなかった。

脳炎などの従来の副作用がない「飲むワクチン」を新開発

同研究グループでは今回、腸管免疫に着目したアプローチによる、脳炎を起こさない「飲むワクチン」を新開発した。この「飲むワクチン」による効果はマウスで認められ、ヒト応用前にサルでその安全性・有効性を検査している。

サルによる実験では、従来のワクチン療法で問題になっていた脳炎や消化器症状などの副作用は起きず、研究グループはこの点で安全性を確認。さらに有効性を調べたところ、脳の病理変化もして、老人斑の減少も確認された。

「飲むワクチンとオリゴマー除去抗体の後療法」の組み合わせを特許出願

しかし、同研究グループでは、さらに生化学的調査を行ったところ、アルツハイマー病を引き起こす脳内の「可溶性アミロイド」と「毒性のオリゴマー(重合体)」が増加していることをつきとめた。

新開発の「飲むワクチン」では、脳内の老人斑を融解させることで老人斑が消失し、脳炎などの副作用も出なかった反面、毒性オリゴマーは増加してたということになる。この「毒性オリゴマー」の存在が、これまでのワクチン・抗体医薬品の治験がともに成功しなかった理由の裏付けになると推測される。

今回の研究結果を受けて、研究グループではアルツハイマー病の新たな治療薬として飲むワクチンに加えてオリゴマー抗体による後療法を組み合わせる(併用する)ことでこれまでのワクチンの副作用を軽減しながら新薬を開発できるとしている。そのため、この新しい組み合わせによる治療と、オリゴマー除去抗体を特許出願している。

これにより今後の研究では、実際にオリゴマーの増加を伴うことなく、老人斑が減少することを確認できれば、治療法として安全性・有効性を精査した後に、ヒトでの治験を行う予定だという。

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