在宅介護での「囲い込み」の問題、現行制度での対策不十分

最終更新日:2018年10月23日

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ケアマネージャーコラム

在宅介護での「囲い込み」の問題、現行制度での対策不十分

2016.05.02

「地域包括ケア」では2025年までに高齢者が住み慣れた地域で暮らせる医療・介護体制を整えることを目指しているが、在宅介護における問題になっているのが介護事業者による高齢者の「囲い込み」と言われる。
厚生労働省では2006年に居宅介護支援事業所における「特定事業所集中減算」制度を導入して、ケアプランで組んだ介護サービスの90%超が特定の事業者に集中していた場合、居宅介護支援事業所への介護報酬を減額する対策を取っていた。
しかし、今回3月27日までに会計検査院がまとめた報告によると、ケアマネージャーと利害関係のある事業者に介護サービスが集中する傾向があり、事業者間で利用者を紹介し合うなどして減額対象とならないよう調整を行っていることが分かった。
会計検査院では現行制度の効果が不十分で、制度自体の見直しを検討すべきだとしている。

利用者の状況に合わない過剰なサービスが問題化

厚労省によると、ケアマネージャーのほとんどは居宅介護支援事業所に所属し、それらの事業所の9割は介護サービスの事業所と併設されている。
一方で、「囲い込み」が問題になったのは、ケアマネージャーが介護サービスの利用者を自身の所属する事業者の介護サービスに誘導し、状況に合っておらず、必要のない過剰なサービスを受けさせているとの指摘が出たことが背景にある。
減額措置もこのような声が挙がったことがきっかけで導入されていた。

減額基準を超えないよう配慮、互いに利用者を紹介して調整

今回、会計検査院では2013年にケアプラン作成を行った21都県の2230事業所を対象に調査している。
調査結果では、利用者の「70%~90%」を特定の介護事業者が提供するサービスに集中させていた事業所の割合が全体のほぼ4割(912事業所)で、ケアプランを作成する事業所と介護サービスを提供する事業者は同じ法人だった。
また特定の事業者への集中割合が「80%~90%」と回答した事業所のうち、約9割が減産基準を超えないよう考慮したと回答している。
また、他の事業者と互いに利用者を紹介し合ったり、ケアプランの内容を変更することで基準を超えないよう集中割合を調整していた。

現行制度では公正・中立なケアプラン作成の弊害に

厚生労働省では2015年9月には基準となる集中割合を導入当初の90%から80%に引き下げるなど規制を強化していたが、検査院では、現行の制度は公正・中立なケアプランの作成を確保する目的からみて有効な施策にはなっておらず、利用者の紹介などでの集中割合の調整を行えば済むなどで弊害が生じていると指摘した。 これを受けて、厚生労働省では現行の制度の見直しを検討する方針だという。

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